町で見かける病院の看板。
ふと見ると、○○デンタルクリニックや、○○歯科といった看板、多い気がしませんか?
実は今、歯科医の数が増えすぎて深刻な問題になっているそうです。
今回はその「歯科医師過剰問題」について取り上げてみます。
今やコンビニよりも町に溢れている「歯医者」
現在、全国統計で見ても、歯科診療所はコンビニの1.2倍ほどの数があるといわれています。
東京では、1日1軒のペースで診療所が廃業に追い込まれているとも。
これは、内科や産婦人科などと比べても異常なペースです。
なぜ、歯科医師だけがここまで増加の一途を辿っているのでしょうか?
歯科医師養成学校が増えすぎた?
1960年代、虫歯が社会問題として取り上げられだした頃、日本には歯科医師養成学校が7校しかなかったそうです。
それが現在では、私大も合わせ29校にまで増加しています。
人口減少、少子高齢化時代といわれる中、歯科医師になるためのハードルは以前よりも軽くなったといえるでしょう。
もちろん、簡単に考えると、歯科医が増えても医療の発達などが見えるようであれば、悪いことばかりではないように感じます。
実際に起こっている問題点とは何なのでしょうか?
歯科医が儲からない時代が来る?
歯科医が増えたとしても、日本人は諸外国に比べ歯磨きの習慣化や意識レベルが高く、歯医者への通院率は低いままです。
ということは、歯医者に通う患者の総パイ数は決まっています。
そこに競争相手としてパイをかじる医者が増えるわけですので、おのずと競争に勝てない歯医者は廃業に追い込まれていきます。
歯医者の予測年収は平均700万円以上といわれていますが、医大に入り高額な先行投資が必要な部分を鑑みると、苦労しても差し引き一般的なサラリーマン程度ではないか、との声も上がっています。
補助金の為に、大学側が生徒を留年させる!?黒い噂も…
国家試験での合格者率が低い大学は、国から出る補助金を減額されてしまうのですが…
このラインをクリアするため、特に私立歯科大では、卒業時に学部生を留年させて合格率を調整するとの噂が。
近年、歯学部生の留年率は年々増加傾向にあります。これも、噂を裏付ける証拠ですね。
また、国家試験自体も、飽和状態の歯科医師会のハードルを上げるため、高難易度なものになってきているとか。
結果的に、歯科大に賭けた投資額を収入で取り返すまでに時間がかかる学生も増えてきているというわけですね。
もちろん、本人の努力次第の部分も大きいため、一概に批判はできませんが。
歯科医の定年制度も検討するべき?
現状、今から歯科医師になるのにはハードルが上がっているというところはわかりましたが、既存の歯科医師はどうでしょうか?
実は、高齢の歯科医師が引退せず施術を続けている点も問題視されています。
実際に、自分の近所の歯科医のホームページなどを見てみてください。
65~70歳以上の歯科医師がゴロゴロいらっしゃるはずです。(もっとも、更に高齢の歯科医はHPも作っていないところもありますが…)
歯科医は細やかな作業も要求されるため、業界の中にも実際に高齢歯科医の引退を進めるべきと考える方が多くいらっしゃいます。
実際にドイツなどでは、歯科医師定年制度が普及しているそうですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
歯医者に怖いイメージを抱いてる方も多いかと思いますが、今後20年30年規模で見たとき、今の歯科医のあり方は大きく変わっているかもしてません。
若い人、高齢の人にそれぞれ言い分があるため、どこに力を入れるかで今後の展開も変わりそうですね。
どこか、日本という国の縮図を感じる問題ではないでしょうか?